ラスキーを通して聞こえた鳴き声は、かれの悲哀の信号だけではない。
それは失われた霊たちの最後の声、自分がその種の最後の1匹だと知った時の嘆きである。
この嘆きには目撃者はあり得ない。目撃者はいない。過去に何度もあったことだ。
いまも起こりつつある。
絶滅寸前の動物。
現存するものや、かつて存在したがすでに絶滅したものだけでなく、
存在し得たかもしれないすべての動物が該当する。
「君が最後だ。泣き叫ぶ最後の人間」
その叫びはとても古い。それが聞こえる者はほとんどいない。
一か八かの魔法に頼るなら、失敗した時には全滅を覚悟しなければならない。
自分の失敗のためにすべてのチャンスが失われたと知ること。
そうなったら、悲しみのあまり死んでしまう。
(ウィリアム・バロウズ『内なるネコ』)